ゆきけーです。

社畜がつらい理由には、精神的な追い詰めもありますが、
企業にとって最も都合の良い社員が社畜だからです。

 

 

それは、企業が利益を生み出すシステムに答えがあります。

 

 

 

再び格差社会となった日本

 

この記事では、企業は社畜を使ってどのように利益を出しているのか、
マルクスの「資本論」を参考にお話していきます。

 

マルクスの「資本論」は有名な著書で、
プロレタリアート(資本主義の中での賃金労働者)の理不尽さを世に示し、
資本主義が資本家によって労働者を搾取する構造を暴き、
労働者運動を各地で呼び起こしました。

 

しかし、マルクスの理想とした共産主義社会は失敗し、
マルクスの資本論は過去のものとして、
経済学の最前線では見向きもされていません。

 

しかし、日本で戦後奇跡的に構築された(ほぼ)総中流社会が、バブル崩壊により
少しずつ崩壊してゆき、今では再び格差が広がっています。

 

このような経緯で最近、資本論が再び話題に上がるようになりました。

 

日本の高度成長期によって収入と保障が安定し、初めて多くの人が
ある程度の生活レベルで暮らすのに苦労しなくなった時代になり、
当時は、格差の時代が終わり、新しく幸せな世の中になったと、
多くの人がそう思っていました。

 

しかしご存知の通り、今ではそれは崩壊し、日本でも格差は再び起こっています。

 

そもそも、高度成長期は偶然もたらされたもので、ずっと続くものではありませんでした。

 

マルクス以前の古代の昔から現代まで、
世界的に見れば、一瞬でも格差は無くなった試しはないのです。

 

恐らく、未来も無くならないでしょう。

 

まずは、会社が社員を使うことでどうやって利益を出しているか、
サラリーマンがなぜこんなに働いているのにお金がたまらないのか学び、
問題意識を持つ必要があります。

 

それでは本題へ入りますね。

 

 

 

 

資本論における「給料」の本当の意味

まず、労働者は雇い主に雇われて、その元で労働し、賃金を得ます。
この賃金は、働いた成果に対しての報酬だと一般的には思われていますが、

 

実は「維持費」でしかないんです。

 

商売の基本として、安く仕入れて高く売る。その差分が利益になりますよね。
これは労働者を雇う場合についても同様です。

 

資本論には「価値」という概念があります。

 

これは一般的に思われている、
「その商品が持っている有用性」という意味での価値ではなく、

 

「その商品を生産するのにかかったコスト」という意味で使われます。

 

そして商品の値段は、この「価値」が基準になって決定されています。
それに加えて、需要と供給のバランスから価格が上下します。

 

意外なことに、需要と供給は値段決定において副次的な要素なんです。

 

 

 

 

たとえばワンオフでフィギュアを作る場合、
材料の粘土やパテの購入費、工具や塗料の購入費や磨耗を考えた交換品の費用、
使った照明や、あまり多くの人は考える機会のない「自営業としての自分の時給」
なども計算してそのフィギュアの「原価」が決まります。

 

この金額が、その商品の値段の基準となります。

売る時点で原価割れしてたら商売になりませんからね。

 

そしてその次に、モデルにしたキャラの人気度合いや自分のブランドなど、
さまざまな需要と供給の要素が絡み合って最終的な売値が決まります。

 

 

 

 

どのようにして給料は決まっているのか

 

話を戻しまして、労働者の給料はどのように決まっているのか。

 

それは、

 

「労働者が一定時間の労働を翌日以降も続けていく為に必要な平均的コスト」

 

によって決まっています。

 

 

労働をすると当然疲れますよね。上司の無茶も聞かなければならず、心労がかかります。

体もだんだん壊れてきます。そうなってくると、帰ったら晩酌でもしたいですよね。

その為にお酒やつまみ、食事も必要です。

漫画やグッズやゲームを買って癒される為のお金もかかります。

もちろん生活するための電気水道ガス通信、賃貸に住んでる人は家賃も払う必要があります。

 

 

そうやって、労働者が疲れた心と体を癒し、翌日も働ける状態に回復するのに掛かった金額、

それが給料になっているんです。

 

 

 

つまり給料とは働いた分の報酬ではなく、
すり減った心身を回復させるためのコストだったのです。(再生産コストと言います。)

(この方式は、固定給の場合の話です。外資系など、成果によって決定される場合は除きます。)

 

 

 

では自分が働いた分の成果はどうなるのか?と思うことでしょう。

ここが核心です。

 

 

 

 

会社員はタダ働きさせられている?

 

労働者への給料は、再生産コストで決定されています。

 

一方で、雇用契約は一日8時間といった、時間単位で契約されています。
給料は一般的に一ヶ月ごとに渡されますよね。

 

つまり、一ヶ月間の給料の対価として
労働者の労力を一日8時間一ヶ月単位でレンタルしているとも言えます。

 

これは、レンタルする時間は決まっていても、作業する量は決められていません。

ここが利益を生み出す仕組みです。

 

雇い主は労働者に時間あたりいくらの再生産コストを給料として払います。
そして、時間内で出来るだけ沢山生産させることで、
払ったコストより多くの生産をさせることで利益を上げています。

 

注目すべきところは、どれだけ働かせても、
払うのは時間あたりの再生産コストだけな点です。

 

たとえ「こんだけつらいから回復するのにもっとお金必要だ!もっと金よこせ!」
と言っても、世間一般での相場が目安となっている為、通じません。

 

ストライキや労働組合など、世間が団結すれば
上がる可能性はありますが、日本では無理でしょう。
その為、労働者は働き続けても会社に利益をピンハネされ、
休む分のお金しか貰えないのです。

 

役職が上がれば給料も上がりますが、
ほぼ確実に上がった給料分以上のつらさがあるでしょう。

 

いくら肩書きが上がっても生活がラクにはなりません。
給料が上がってもその分心身をすり減らす量も増えるからです。

 

当然ですね。そうでなくては会社に利益が上がりません。

これが、会社員が働き続けても一向に生活がラクにならない理由です。

 

それに加え、社畜になると会社に無条件で尽くし続けますから、
いくら過剰労働になっても文句ひとつ言いません。

会社からすると、理想の社員ですね。

 

 

 

 

企業はシステム的だけでなく心理的にも社員を搾取している

以上のように、会社は社員に給料以上の労働を際限なく課すことで、利益を得ます。
この事を知ったら、多くの人は会社員は搾取されるばかりだ、今すぐやめたい、
そう思うことでしょう。

 

しかし、そういう真実を知っても尚、社員を会社に縛り付ける為の策略を、
企業は持っています。その策略によって、社員の心までも支配し

 

「頭では判っていても心配で会社を離れられない」

 

という、会社の操り人形を作り上げる事に成功しています。

 

会社は労働的なだけでなく、
心理までも会社の意のままにしようとしている現状があります。

 

このままでは自分の価値観、今後の人生に対する考え方そのものすら、
壊されてしまうかもしれません。
私たちはその秘密を知り、対策を取る必要があります。

 

「敵を知り、己を知れば百戦危うからず」

 

相手の手の内を知り、自分の現状と目指すべき方向が決まっていれば、
相手に惑わされることはありません。

 

企業がいかにして「社員」を「社畜」に変えていくか、
その企業戦略を知る必要があります。

 

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