どうも、ゆきけーです。

 

今回はちょっと、身近なものにスポットを当ててみます。

 

 

「鉄道むすめ」がいた

先日、思い立って近場の鉄道駅に行ってみました。


 

地元にある南三陸鉄道の終着点、盛駅です。

鉄道に乗るためではないのですが、駅って見るだけでも面白いですね。

 

私は一度もここを利用したことが無いのですが、
鉄道の駅というのは独特の情緒があります。

 

時々都市部に行ったときに近代的な駅を見るのですが、
そういったものを見ると、地方の小さい駅も一種の美観があり、
悪くないなと思います。

 

などといった事を思いながら中に入ると、
売店に我々が反応しそうな商品が置かれていました。


 

なにやら可愛いクリアファイルです。


 

これは「鉄道むすめ」といって、株式会社トミーテックが所有しているプロジェクトで、
全国の鉄道の実際の職業をやっているキャラクターを作っています。

 

このシリーズは地方鉄道の盛り上げのため、それぞれの鉄道会社で
盛んにタイアップなどの展開がされています。

 

ここ三陸鉄道には

 


「久慈ありす」

 



 


「釜石まな」

 

というキャラクターがいまして、それぞれ運転士と駅務係になっています。

 

 

コンテンツツーリング

近年有名になっているビジネス戦略に
「コンテンツツーリング」というものがあります。

 

これは最近、オタクがご当地と関連させたオタク系コンテンツや、
アニメの舞台となった場所へ聖地巡礼として観光をすることから、
自分たちの土地でもオタク系コンテンツを取り入れて集客しよう、
という手法です。

 

このコンテンツツーリングを最初にはじめたのが、
かの有名な「らき☆すた」ですね。

 

その後もガールズ&パンツァーなどの成功により、
一般人がオタクを顧客ターゲットとする手法は
今後も拡大していくでしょう。

 

 

成功させるにはキャラだけでない要素も必要

しかし、世間にコンテンツツーリングの有効性が広まり、
他の様々な自治体や会社も同じ手法を取り入れようとしていますが、
先の例のような成功することは稀です。

 

失敗する理由の多くは、成功した例から表面ばかりを見て
その手法の核となるものが見えていないからです。

 

 

コンテンツツーリングの成功に必要な要素というのはいろいろあります。

 

まず第一に、キャラクター作りです。
誰でも最初は、そのキャラクターが自分の好みの見た目かどうかで
そのコンテンツを調べるか、スルーするかを決めます。

なので一番最初の見た目は、自分の考えている最終目標を意識しつつ、
オタク界隈での流行も取り入れて作ります。

 

 

第二に、キャラクターの性格を含めた設定およびストーリーです。

これは以外なほど多くのコンテンツツーリングを目的としたキャラでも
作りこまれていないのですが、実はこれが第一の見た目と同じくらい重要です。

 

ほとんどの場合は、その土地の特産品が好きとか、地方PRを目的としたものが
透けて見えるような、あからさまなものばかりですが、
これでは魅力的な設定にはなりません。

 

ファンはそのキャラクターが好きで土地を訪れるのであって、
宣伝を見ていいなと思ってきたわけではありません。

 

なのにキャラクターにすら宣伝をさせてしまっては、
そのキャラクターへの印象は下がってしまいます。

 

さっきも書きましたがファンはそのキャラクターが好きで訪れます。

 

となれば、まずするべきは宣伝させることでなく、
キャラクターをより奥深いものにするために、ストーリーを整えることです。

 

ストーリーが出来てから、その実在の場所や行事や特産品などを
ストーリーと絡めていくことで、はじめてファンはそこも訪れるようになります。

 

宣伝したいものを、そのキャラクターのストーリーや世界観に入れることで、
ただの商品でなく、「あのときに出てきた商品だ」と思ってもらうことが出来ます。

 

ぶっちゃければ、その土地に根差した生活をキャラクターにさせて
その上で面白いストーリーを展開していけば、勝手にPRになります。

 

 

第三に、ストーリーやキャラクターの世界観に合わせて
実在の場所を整備することです。


上記のように、ストーリーや世界観を深めていけば、
ファンは実在の場所を訪れても、ただその場所だとは認識せず、
「あの場所だ」という、キャラクターの世界観に浸った状態で
場所を見るようになります。

 

しかしそこで、ストーリー中に出てきた場所が劇中と違うと、
ファンはその時点で世界観から覚めてしまいます。

 

なので劇中に登場する売店、スポットなども同じように整備するか、
あるいは劇中にも実在と同じように登場させ、より印象的なシーンを
作ることでその場所や物にもストーリーをかけることができます。

 

 

この三陸鉄道は、第一段階までしか作られておらず、
過去にDSなどでゲームが発売され、ストーリーが多少作られましたが
今現在それをネットで気軽に見れる場所はありません。

 

ストーリーこそ誰もが閲覧できる場所にあったほうがいいですね。

 

 

劇中と実在がリンクした空間は芸術的

私はガールズ&パンツァーでの町おこしが大ヒットしたときに大洗町へ行きましたが、
いたるところに劇中と同じ場所、同じ食べ物があり、
まるで自分が劇中の世界に入り込んだような興奮を覚えました。

 

これは作品のクオリティもさることながら、やはり大洗町側の本気が
あってこそできる体験でした。

 

劇中と実際の場所やものがリンクし、同じものを見ても
世界観があるとこうも「見え方」が違うのかと驚きましたね。

 

この感覚はディズニーランドに行ったときと同種のものです。

 

ディズニーランドも、ディズニーの世界観に沿うように
売店をはじめ様々な場所が作りこまれていて、
ディズニーの世界から覚めないように工夫がされています。

 

私はこういった作中と実在がリンクした場所も、
建築や映像作品などを内包した複合的な芸術作品のひとつ
ではないかと思います。

 

エンターテイメントでありビジネスの一環だ、ともいえるのですが、
それでもビジネスから切り離し、実在の空間と顧客の脳内の空間を混同させ、
不思議な感覚を作り出すこれは、ただのビジネスだけでなく、
新しい表現にも使えるかもしれないと考えています。

 

いずれ私のコミュニティでも、
脳内の世界観と実在の場所とのリンクした感覚を使った
オフラインのイベントなども考えてみたいです。